よーいドン となりの人間国宝
「サンジミアーノ・ビル」のオーナーとして、
人間国宝になったわけ
若い頃に、建築家の友人とイタリア・トスカーナ地方の世界遺産の街・サンジミニャーノに旅しました。そこは、中世のたたずまいを残したタイムスリップしたような古い街。いくつもの背の高い塔がある街として、建築学的にも有名なところ。
その街での滞在によって着想を得て、その街のイメージとコンセプトをもとにして出来上がったのが、大阪府熊取に位置するとても小さな複合ビル「サンジミアーノ」です。5つの賃貸マンション、10個のテナント・店舗、そして文化教室で構成されています。中庭の大きなケヤキの木の下では、例年、11月には小さな音楽祭が行われ、生活文化の風が感じられる空間となっています。
その建築と運営のために借金に借金を重ねていた頃に、日本経済を揺るがす「バブル経済崩壊」という経済的大地震が起こり、借金返済という重荷を背負うことになりました。多くの人の助けがあって、今、ようやく、一息つけるようになりました。
私のこれからの夢は、生活文化時代を創るために余生を捧げ、現在の我々・人類が背負っている数々の困難な課題解決のために必要な価値観・生き方を見つけ、それを人々に提案することです。
七転びして起き上がることができなくて、さらに八転びしたとしても、なお、それを探求したい。生きている間にそれができなくても、死んでからでも、探求したい、というのが私の夢なのです。